2012年11月22日木曜日

Travel to Madagascar 6


山頂に鎮座する 'Pachypodium rosulatum var. gracilius'


トゥリアーラを出発して約4時間。いよいよラヌヒラ(Ranohira)が近づいてきました。
この辺りは特に乾燥していて、高地のため気温の寒暖差もあるとのこと。雨が少なく、周りの景色に蒼々と茂った植物は見られません。
しかし、このような厳しい気候の中でしか生きて行けない多肉植物のことを考えると、日本での栽培に難しさを覚えました。

 

目的地はもうすぐです


切り立った山々


ラヌヒラに着いたのはお昼過ぎ。これからイサロ国立公園に行くには少し遅かったので、まずは宿にチェックインをして昼食を取りました。
アンダバドアカからの移動でクタクタだったので今日はのんびりしたい。という意見で一致。しかしこの短期旅行では、宿でダラダラというのもなんだかもったいない気もしたので、とりあえずタクシーですぐだと現地の人に教えてもらった “イサロの窓” へ向かいます。

途中、冠をつけたような形をした、“イサロの女王” 'La Reine de l'Isalo' と呼ばれる岩に連れて行ってくれました。予想より小さめ、、。


カッパドキアを少しだけ思い出しました

舗装路を横道にそれて砂利道をグングン進んで行くと、城壁のようにそびえたっている岩があります。ドライバーがここだと教えてくれ、タクシーから降りてみることに。
ここ、イサロの窓から眺める夕陽は観光名所として有名なようで、夕陽の時間が近づくと次々と観光客がやってきました。中には、マダガスカル人カップルも。

私たちは少し早い時間に着いたので、まずは多肉探しで辺りを散策。岩壁の反対側にまわると、より大きく感じます。


なかなか気に入った場所です


正体不明の塊根多肉発見!



岩にがっちりと根をはっています



こちらからの眺めが好きです



いよいよサンセット


翌朝、まずはガイドを雇うためにイサロ国立公園事務所へ向かいます。
ワラワラ集まってくるマダガスカル人を掻き分け、ガツガツしていない人のよさそうなガイドを発見。早速彼にガイドを申し入れます。

イサロ国立公園は約81,540ヘクタールの広大な広さを誇ります。ジュラ紀に形成されたと言われる侵食された砂岩、河畔林と深い渓谷、蒼々と茂ったオアシス、そして広大な草原で構成されています。 
何日もかけてトレッキングをする人や、滝、天然プール、マダガスカルの固有種ワオキツネザルなど見所は様々ですが、私たちの目的はなんといっても多肉植物。中でも 'Pachypodium rosulatum var. gracilius' (象牙宮) を見る為にやってきたのです。



イサロ国立公園に向けて出発



グランドキャニオンに似た雰囲気


ラヌヒラから出発し約30分。いよいよイサロ国立公園入り口に到着。
ここからしばらくは林道の中を歩きます。中にはキャンプ場があり、マダガスカル人のシェフが数人料理にとりかかっていました。おそらくここでランチを食べるツアーがあるとのこと。バナナとビスケットしか食べていなかった私たちは、横目でチラチラ見るだけでがまんがまん。。。



私たちのガイド、マーラ



崖すれすれの登山道



岩山の頂上付近は、水が溜まりここだけオアシスのよう



岩に張り付いていた蘭の一種



頂上に近づくにつれ、多肉植物がちらほら





厳しい環境で育つアロエの一種


もう間もなく頂上という所で、見事な枝を茂らせた多肉を発見!
枝の傷ついた部分からは白い樹液が出ていたので、おそらくユーフォルビアの一種と思うのですが、、、乾季のため葉をすべて落としており、種類までは特定できませんでした。


葉を茂らせた姿も見てみたい!



わかりにくいですが、根元の方は塊根っぽくなっていました


しばらく歩くといきなり急登になり、辺りの景色がガラリと変わります。

岩肌がむき出し、多肉質な植物がチラホラと。確実にグラキリウスに近づいている!という期待を胸にテクテクテク、、、おぉ、なんだか見晴らしの良さそうな開けた所に着いたな〜なんて思っていたら、、、!!!!!!!!!
グラキリウス発見!この瞬間に気分は最高潮へ!



大きいのがゴロゴロ


最初に見つけた一株だけでも大興奮だったのですが、よくよく周りを見回してみると、あっちにもこっちにもグラキリウスが!まさにグラキリウスの丘状態です。
山頂に辿り着くまではまったくグラキリウスを見かけませんでした。しかし、この場所だけそれはもうヨダレもののグラキリウスがあっちこっちに自生しています。

どれもこれも個性的で私たちは大興奮!マーラは少々呆れ顔で私たちを見守ってくれていました。ひとつひとつグラキリウスを見ては、あーでもない、こーでもないと感動しっぱなしの私たち。同行者は興奮のあまり、サングラスと携帯電話を紛失する始末!



枝を長ーくピンと伸ばした子



丸っこいのがちらばっています



ずっしり構えた子



物思いに耽っている子



平べったい!



玉がくっついている!



これはかなり良株ですね〜



グラキリウスは日光が大好きです



岩肌にガッチリと根をはっています



画になるカット



パキポがわらわらいます



うちの子に似てる!



仲良く並んだ兄弟パキポ



パキポ団地



将来有望な子株



寄り添っています



ベビーグラキリウス


この辺のグラキリウスはすべて隈なく観察し、自生地の環境や岩への根の張り方など様々なことを学ぶ事ができました。もう大満足!さぁ下山するか〜。と腰をあげた私たちの視界に入ったものが、、、



遠くに見える、このシルエット!



特大グラキリウス!



思わずなでなで、会いたかったよ〜


直径50センチはゆうに越えたイサロの主ともいうべき特大グラキリウスが鎮座していました。
一体何百年という時間をかけてここまでに育ったのか、、、その時間を考えるだけで頭がクラクラしてしまいます。
ずっとこの土地でこの景色の中、成長してきたんですね〜。

ツィタカクイケと同じくらいの感動がありました!

 

 歓迎してくれたのでしょうか、満開!



イサロの山々を見つめています



 何度も何度も触ってみた


山頂からの眺めは最高!いつの間にこんなに登ってきたんだろうというくらいラヌヒラの町が小さく見えました。
とても静かで気持ちよい風が通り抜ける場所でした。




長かった“マダガスカル多肉探索編”もひとまず終わりです。
それでは、また。