世界最大のバオバブ、'Tsitakakoike'(ツィタカクイケ)
翌朝、オモチャのような小型プロペラ機に乗り込み、一路モロンベ(Morombe)へと出発です。座席とコックピットの間にドアはなく、運転席が丸見え!パイロットは呑気に歌なんて唄っちゃっています。
モロンベはモロンダバより南に位置するとっても小さな村。なので飛行機は週1便。
また、基本的にモロンダバから道らしい道はなく陸路で行くと2日かかります。
アクセスがとても大変ですが、ここは世界一大きなバオバブ、“ツィタカクイケ” を見に行く為の拠点となる場所です。
また、この地方のバオバブはバオバブ街道のものよりもずんぐりむっくりした樹形が特徴です。
AIR MADAGASCAR モロンベ行き
上空から見えたずんぐりバオバブ
普段はモロンダバ - モロンベ間は1時間程で到着するのですが、今回はたまたまフランス人旅行者のチャーター便に乗り合わせたらしく、途中の小さな村で途中降機しました。
その降り立った場所は…なんと建物も何もありません!
あるのは1本の木の下に置かれたテーブルと、壊れた小さな秤のみ。。。一体?
しかも滑走路は白いさらっさらの砂…。当然、着陸の際はバウンドします。人生で初めて飛行機が怖いと感じたフライトでした。
あるのは1本の木の下に置かれたテーブルと、壊れた小さな秤のみ。。。一体?
しかも滑走路は白いさらっさらの砂…。当然、着陸の際はバウンドします。人生で初めて飛行機が怖いと感じたフライトでした。
世界一シンプルな空港
さらさら純白の滑走路
またまた飛行機が飛び立ち、数十分後になんとか降り立ったモロンベ。
さっきの空港(?)よりはまだまともな建物が立っています。とはいえ、小屋レベルですけど…。
モロンベのメインストリート
マーケットには野菜がずらり
大量のバオバブの実。今回は購入せず
翌朝、宿で手配してもらった4WDでいよいよバオバブツアーへと出発です。
目指すは聖木ツィタカクイケを守る村、アンドンビリー(Andombiry)。
マダガスカルはとにかくどこへ行っても悪路、悪路。アスファルトの剥がれた道やでこぼこの砂利道を突き進みます。雨期にはドロドロになる為、ツィタカクイケへのアクセスは困難を極めるそうです。
この道路はこれでもまだマシなほう
道中たくさん生えている 'Didierea madagascariensis' の群生
現地ならではのスケールです
ほとんどは落葉していましたが中には葉を生やした株もありました
現地はキメ細やかでさらさらの表土でした。勉強になります。
途中にある小さな村に立ち寄りました。着いたとたんに村人たちが総出でお出迎え。
子どもたちは人懐っこく、とてものんびりとした村です。この先はさらに悪路かつ迷路のような道となる為、この村で道案内の若者4人組を乗せて行くことに。
マダガスカルの女性は日焼け止めパックをしています
The Baobab House
向こうが見えています
中は意外に広く4畳半程あります
道なき道を進むにつれ、この地方独特のずんぐりバオバブがちらほらと現れ始めます。
形がとても素晴らしい一本
美形ナンバー1
実が落ちて弾けていました
かの有名な “愛し合うバオバブ” のミニチュア版を発見
日本でも“緑サンゴ”で有名な 'Euphorbia tirucalli'
“亜竜木”こと 'Alluaudia procera'
先ほど紹介した 'Didierea madagascariensis' と 'Alluaudia procera' は葉の形状が全く違います。ですが、休眠期はよく違いが分からない為(特に現地株は巨大に成長している為)、トゲの形状で見分けることができます。
奥にあるのが 'Didierea madagascariensis' で手に持っているものが 'Alluaudia procera' の落ちていた表皮です。
トゲの形状の違いがわかります
巨大なアロエの一種が生えていました
さて、車を走らせること約2時間。いよいよアンドンビリーに到着です!ここに来るまでにもたっくさんのバオバブに会えたのですが、やはり本番はこれからという感じ。
まず最初に向かったのは“妊婦のバオバブ”と呼ばれているポッコリお腹が特徴のバオバブです。周りの木と比べると大きさがわかるかと思います。
ボールのようなまん丸お腹です
でっぷり具合では一番です
そして、、、ついに“ツィタカクイケ”と対面…。で、でかい…。
木と一括りにしてしまっていいのか分からない程の大きさです。
左下の人と比べてみてください
とても抱えられません
枝一本が普通のバオバブの太さ
樹齢は数千年、胴回りは30mをゆうに越えると言われている“ツィタカクイケ”。
これ程の大きさのバオバブは世界に一本しかありません。
日本からの長旅の疲れも吹っ飛ばしてくれる程の力強さです。ツィタカクイケが今まで生きてきた年月を思うと言葉になりませんでした。
ツィタカクイケは聖木として崇められているため、他のバオバブのように落書きもなく、柵で囲われていました。とても大切にされているんですね。
またいつか訪れてみたい場所のひとつとなりました。
モザンビーク海峡の夕日
マダガスカル編はまだ続きます。